屋根のカバー工法を実施するときの手順とは?施工できない屋根もある?

自分の家を購入することは多くの人の夢ですが、屋根の問題はしばしば頭を悩ませるもの。

特にリノベーションや修理を考えている方にとって、屋根の状態は家全体の快適さや安全性に大きく影響します。


そこで今回は、特に屋根のカバー工法に焦点を当て、その施工手順と適用できない屋根の種類について解説します。

□屋根カバー工法の施工手順


屋根カバー工法は、家の屋根を新しくするための効果的な手法です。



ステップ1: 足場の組み立てと養生

工事を始める前に、安全かつ効率的に作業を行うためには、足場の組み立てが不可欠です。外壁から約50cm〜80cmの間隔を空けて足場を設置し、養生シートで建物を保護します。これにより、作業中の安全を確保し、建物を傷つけることを防ぎます。



ステップ2: 既存の金具を撤去

次に、既存の棟板金や貫板、雪止め金具などを撤去します。これらの金属は新しい屋根材の施工時に邪魔になるため、取り除く必要があります。特に雪止め金具は、切断時に注意が必要です。



ステップ3: 防水紙の施工

既存の屋根材の上には、新しい防水紙を施工します。防水紙は、屋内への雨水の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。



ステップ4: 新しい屋根材の設置

防水紙の上に新しい屋根材を葺きます。近年人気のあるガルバリウム鋼板や、さらに耐食性に優れたエスジーエル鋼板など、さまざまな屋根材が選べますよ。



ステップ5: 貫板と棟板金の設置

新しい屋根材の上に、貫板と棟板金を設置します。最近は腐食しにくい樹脂製の貫板も選ばれることが多くおすすめです。



ステップ6: 棟板金のコーキング仕上げ

棟板金を設置した後は、コーキングで隙間を埋めて仕上げます。これにより、雨水の浸入を防ぎます。



ステップ7: 雪止め金具の設置

最後に雪止め金具を取り付け、カバー工法の施工は完了です。




□屋根カバー工法は適応できない場合がある?


ここまでカバー工法の施工手順を説明しましたが、実は全ての屋根にカバー工法が適用できるわけではありません。

その理由と条件を見ていきましょう。



経年劣化が激しい屋根

屋根の下地が著しく傷んでいる場合、カバー工法は不適切です。時間とともに劣化した屋根は、新しい屋根材の重みを支える能力が低下しているため、屋根材を全て取り替える方が良いでしょう。



瓦屋根

伝統的な瓦屋根は、カバー工法に適していません。瓦屋根は重量があり、屋根面がフラットではないため、カバー工法の施工が難しいのです。



古いトタン屋根

古いトタン屋根も、屋根下地の野地板が傷んでいる場合、カバー工法には向きません。技術的に可能であっても下地の状態が不安定なため、安全のためにもカバー工法は避けましょう。



劣化したスレート屋根

築年数が長いスレート屋根も、カバー工法には向きません。特に雨漏りなどの問題がある場合、屋根下地が傷んでいる可能性が高いです。




□屋根カバー工法のメリットとデメリット


メリット

  • 施工期間が短い
  • コストが比較的安い
  • 既存の屋根をそのまま残すため廃材が少ない



デメリット

  • 適用できる屋根の種類が限定される
  • 下地が劣化している場合、問題を解決できない



□まとめ


屋根のカバー工法は、適切に施工すれば屋根の寿命を延ばし、家の見た目を新しく保てるおすすめの方法です。

しかし、この記事で述べたように、すべての屋根にこの方法が適用できるわけではありません。


自宅の屋根の状態や種類を正しく理解し、最適な選択をしてくださいね。



株式会社鵬は40年以上の実績を持ち、地域に根ざした高品質な屋根工事を提供しております。お客様の安心・安全な住まいを第一に考え、専門スタッフが丁寧に対応いたします。屋根のカバー工法や葺き替え工事について気になる点やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。