屋根カバー工法に関心を抱く方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
多くの方がそのメリットに注目する一方で、デメリットやトラブルの可能性についての懸念も抱えていることでしょう。
この記事では、屋根カバー工法の具体的なリスクを理解し、適切な意思決定をサポートする情報をご紹介します。
□屋根カバー工法のデメリットを解説
屋根カバー工法は、既存の屋根に新しい屋根材を重ねる方法ですが、いくつかのデメリットが存在します。
1:屋根の重量増加
新しい屋根材が加わることで屋根全体の重量が増加します。
一般的に使用される金属屋根は軽量ですが、0.4mm程度の鋼板であっても、全体の重量は確実に増えるのです。
特に壁量が不十分、または壁の配置がアンバランスな建物では耐震性への影響が懸念されます。
2:部分修理の難しさ
金属屋根の一般的な形式であるかん合式は、強風には強いものの、部分的な修理が困難です。
たとえば、一部の屋根材が損傷した場合、隣接する屋根材も取り外さなければならないことがあり、修理が複雑になります。
3:専門性の高い施工要件
屋根カバー工法を行うには、専門の技術が必要です。
特に金属屋根の施工に携わる板金工は、瓦葺き会社や塗装会社とは異なり、慢性的な人手不足に陥っています。
大型台風や地震後は、修理やリフォームを行うために長い待ち時間が必要なこともあります。
4:下地の再利用とそのリスク
既存の屋根下地は、屋根カバー工法ではそのまま利用されます。
しかし、下地の劣化が進んでいる場合、長期的な屋根機能の維持が疑問視されます。
特に築30年以上の住宅では、葺き替えも選択肢として考慮する価値があります。
□屋根カバー工法で後悔しないための重要ポイント
トラブルを避け、安心して屋根カバー工法を選択するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
*「はがれ」を防ぐ下地の状態チェック
屋根材がはがれないためには、下地の状態をしっかり調査する必要があります。
調査を行わない会社も少なくないため、この点は特に注意が必要です。
また、強風に対する保証がある屋根材を選択することも有効です。
*雨漏りを防ぐ防水シート選び
屋根工事の中で最も重要なのが、適切な防水シートの選択です。
防水シートは屋根材の下に隠れており、その重要性が見落とされがちですが、雨漏りの根本原因の多くが防水シートの問題に起因します。
防水シートの種類や、雨漏りに対する保証の有無を確認しましょう。
□まとめ
屋根カバー工法は、そのメリットだけでなく、重量増加、耐震性への影響、部分修理の難しさ、専門性の高い施工要件、下地の再利用というデメリットも理解する必要があります。
また、はがれや雨漏りを防ぐためのチェックポイントを押さえ、慎重な選択を行うことが大切です。
この記事が、皆さんの屋根カバー工法に関する意思決定に役立つことを願っています。