アスベストと聞くと、何となく不安になる方も多いのではないでしょうか。
中でも、屋根材に含まれるアスベストの問題は特に注意が必要です。
アスベストはかつて建材に広く使用されていましたが、健康への悪影響が明らかになって以降、使用が制限されています。
しかし、既存の建物ではまだこの物質が潜んでいる可能性があり、特に古い家屋の屋根葺き替えを検討している場合には、正しい知識が必要となります。
今回はアスベストについて紹介していきます。
□アスベストとは何か?家庭の屋根に潜む隠れたリスクとは?
アスベストは石綿とも呼ばれる繊維状の石材です。
その利便性から20世紀半ばまで世界中で建築材料として広く利用されてきました。
石が繊維状になった建材のため、耐火性、耐熱性、耐薬品性などの特性に優れており、住宅の断熱材や電化製品など、さまざまなものに広く使われていました。
性能面ではとても優れた素材であるアスベストですが、使用時に発生するほこりを長期間吸い込むと人体に悪影響を及ぼすことが判明し、1970年代に日本では使用が禁止されています。
具体的には、アスベスト繊維を吸入することで肺がんや中皮腫などの重大な健康問題を引き起こす可能性があります。
特に、屋根修理や葺き替えの際にアスベストが含まれる建材を扱うことは、家族の健康に直接的なリスクをもたらす可能性があります。
具体的に、屋根材を大別すると、瓦・スレート・金属の三つです。
アスベストを含有している可能性のあるものは、このうちスレートとセメント瓦です。
同じ瓦でもこれ以外の粘土瓦などは問題ありません。
家を建てた年代と屋根を見て、確認をするのがベストです。
□屋根葺き替え時のアスベスト対策方法とは?
自宅の屋根がアスベストを含んでいるとわかった場合の対処方法は2つあります。
1つ目はカバー工法をする事、2つ目は葺き替えをする事です。
ここでは屋根の葺き替えの紹介をします。
葺き替えとは、現在のアスベスト屋根を解体して新しい屋根材を取り付ける工事です。
葺き替えを選ぶメリットは、アスベストを完全に除去できることです。
カバー工法だと新しい屋根材が大きく破損した場合にアスベストが飛散するおそれがあります。
葺き替えであれば、工事後はアスベストが飛散するおそれは一切ありません。
□まとめ
アスベストはかつて広く利用されていた建材であり、今もなお多くの家庭でそのリスクが潜んでいます。
特に屋根の葺き替えや修理を検討する際には、アスベストの安全な撤去が重要となります。
この記事を通じて、アスベストに関する基本知識と安全対策について理解を深め、ご家族の健康と生活環境を守るための一歩を踏み出していただければ幸いです。