築年数が経ち、愛着のあるご自宅の瓦屋根。
最近、漆喰が剥がれていることに気づき、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
瓦屋根の漆喰は、雨風から家を守る大切な役割を担っています。
漆喰が剥がれると、雨水が侵入し、屋根材や構造材を腐らせてしまう恐れがあります。
放置すると、雨漏りやシロアリ発生など、深刻な事態に繋がる可能性も。
この記事では、瓦屋根の漆喰が剥がれる原因と修理方法について解説します。
□瓦屋根の漆喰が剥がれる原因とは?
瓦屋根の漆喰が剥がれる原因は、大きく3つに分けられます。
それぞれ、段階的に進行していく症状です。
1: 棟の台土の流出
棟とは、屋根の頂上部分のこと。
この棟には、瓦を固定するための土台となる「台土」が敷き詰められています。
漆喰は、この台土を雨風から守る役割を担っています。
漆喰が剥がれると、台土が雨風に晒され、流出してしまいます。
台土は、家の基礎に例えられます。
基礎が崩れると家が傾いてしまうように、台土が流出すると、屋根の構造が不安定になり、崩壊する恐れがあります。
2: 瓦の抜け落ち
棟には、瓦が積み上げられています。
漆喰が剥がれると、瓦がズレたり、抜け落ちたりする原因になります。
瓦がズレると、雨水が侵入しやすくなり、台土の流出を加速させます。
また、瓦が抜け落ちると、雨漏りの原因となるだけでなく、歩行中の落下物による怪我の危険性も高まります。
3: 雨漏り
漆喰が剥がれ、瓦がズレたり、抜け落ちたりすると、雨水が屋根内部に侵入しやすくなります。
雨水が侵入すると、屋根材や構造材を腐らせ、シロアリが発生する原因にもなります。
さらに、雨漏りは、室内に水が浸入し、家具や家電を傷めるなど、生活空間にも大きな影響を与えます。
□瓦屋根の漆喰補修方法と費用
瓦屋根の漆喰の補修方法は、主に2つの方法があります。
それぞれの方法の特徴や費用、施工イメージを詳しく解説します。
1: 漆喰詰め直し工事
漆喰の剥がれや崩れが軽微な場合は、漆喰詰め直し工事を行います。
この方法は、剥がれた部分を新しい漆喰で埋め、表面を平らにする工法です。
費用は、約3,000円/㎡からで、工期は1日程度です。
比較的安価で短期間で施工できるため、軽微な補修には最適な方法です。
しかし、棟の台土が流出している場合は、詰め直しだけでは効果が期待できません。
その場合は、棟瓦の積み直し工事が必要になります。
2: 棟瓦の積み直し工事
漆喰の劣化が酷かったり、瓦がズレたりしている場合は、棟瓦の積み直し工事を行います。
この方法は、棟瓦を一旦取り外し、台土を補修してから、新しい棟瓦を積み直す工法です。
費用は、約15,000円/㎡からで、工期は3~5日程度です。
詰め直し工事よりも費用と工期がかかりますが、より確実な補修方法です。
棟瓦の積み直し工事を行う際は、瓦の種類や状態に合わせて、適切な瓦を選定することが重要です。
□まとめ
瓦屋根の漆喰が剥がれる原因は、棟の台土の流出、瓦の抜け落ち、雨漏りの3つです。
それぞれの症状が進むにつれて、屋根の劣化が深刻化していきます。
早期発見・早期対応が、屋根の寿命を長く保つ上で重要です。
漆喰の補修方法は、詰め直し工事と棟瓦の積み直し工事の2つがあります。
軽微な補修には詰め直し工事が、より確実な補修には棟瓦の積み直し工事が適しています。
瓦屋根の漆喰が剥がれている場合は、放置せずに、専門業者に相談し、適切な補修を行うようにしましょう。