カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる工法です。
既存の屋根を撤去せずに済むため、コストを抑えられ、工期も短縮できることから、近年注目されています。
しかし、カバー工法はメリットだけでなく、施工不良や下地への配慮不足などによってトラブルが発生する可能性も孕んでいます。
□カバー工法屋根トラブルを回避するために知っておくべきこと
カバー工法は、既存の屋根を活かすことができるため、経済的なメリットが大きい反面、施工方法や下地の状態によってはトラブルが発生する可能性も秘めています。
この記事では、カバー工法で起こりうるトラブルとその原因、そして対策方法を具体的に解説していきます。
カバー工法のメリットを最大限に活かし、安心して快適な住まいを実現するために、ぜひ参考にしてください。
1: 屋根材が風で飛ばされる
カバー工法で施工された屋根材が、強風によって飛ばされてしまうトラブルは、決して少なくありません。
これは、施工不良や屋根材の強度不足が原因として考えられます。
特に、高層階や強風地域では、より注意が必要です。
2: 屋根の下地が劣化している
既存の屋根の下地が劣化している場合、カバー工法で新しい屋根材を重ねても、十分な強度が得られないことがあります。
そのため、屋根材が剥がれてしまう、雨漏りが発生するなどのトラブルが起こる可能性があります。
3: 屋根の勾配が適切でない
屋根の勾配が適切でない場合、雨水がうまく流れず、雨漏りや屋根材の劣化につながる可能性があります。
カバー工法を行う際は、既存の屋根の勾配が適切であることを確認し、必要があれば補修を行うことが重要です。
4: 耐震基準を満たしていない
カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、屋根の重量が増加します。
そのため、耐震基準を満たしていない住宅にカバー工法を施工すると、地震発生時に倒壊のリスクが高まります。
□カバー工法で起こるトラブルとその原因
カバー工法で起こるトラブルには、さまざまな原因が考えられます。
ここでは、具体的なトラブルとその原因を詳しく解説していきます。
1: 屋根材の風による飛散
・原因: 施工不良、屋根材の強度不足、強風
・対策: 風に強い屋根材を選定する、適切な施工方法を採用する、風対策用の金具を取り付ける
2: 下地の劣化による屋根材の剥がれ
・原因: 既存の屋根の下地が劣化している、下地への施工が不適切
・対策: 下地を補修する、下地材に適した施工方法を採用する、耐久性のある下地材を使用する
3: 勾配不足による雨漏り
・原因: 既存の屋根の勾配が不足している、カバー工法による勾配の変化
・対策: 勾配を調整する、雨水の流れを良くする工夫をする、雨漏り防止シートを敷設する
4: 耐震基準の不足による強度不足
・原因: 既存の住宅が耐震基準を満たしていない、カバー工法による重量増加
・対策: 耐震診断を実施する、補強工事を行う、耐震基準を満たす屋根材を選定する
□まとめ
カバー工法は、経済的なメリットがある一方で、施工不良や下地への配慮不足によってトラブルが発生する可能性があります。
トラブルを回避するためには、事前に適切な調査と対策を行うことが重要です。
この記事で紹介した内容を参考に、カバー工法を行う際は、信頼できる業者に相談し、しっかりと施工計画を立ててください。
カバー工法は、適切な施工とメンテナンスによって、長く安心して住める屋根を実現できる工法です。
